東京都の公募に基づき、東急不動産・東急・石勝エクステリア・東急コミュニティーの4社が「代々木公園STAGES」を組成し、推進してきたこのプロジェクト。2025年2月20日から公園の一部を供用開始し、3月15日からは店舗も順次オープン。新たな街の賑わいが芽吹きはじめている。



BE STAGEの標語は「はじめる人になろう」。ロゴマークにあしらわれた緑色の「BE」には、一歩を踏み出す人の足元を支えるという思いが込められている。渋谷と原宿のあいだ、自然と都市が交差するこの場所で、自己表現や挑戦を支える新たな日常を育もうとしている。
この記事では、4月24日に開催されたハワイアンレストラン「Tiki’s Tokyo」のメディア内覧会の様子を交えながら、BE STAGEが描くこれからの暮らしの風景を紹介していこう。
アクティブなライフスタイルを支える公園
本格的な春の訪れを感じる4月末。天候に恵まれたBE STAGEでは、街を走るランナーや犬を連れて散歩する人、ふらりと立ち寄ってベンチで休む人などが思い思いの時間を過ごしていた。都市の中にありながら、ここには誰にでも開かれた、穏やかなパブリックの風景が広がっている。

BE STAGEが位置するこのエリアは都市公園でありながら、日々の暮らしをアクティブに楽しくする仕掛けがちりばめられている。園内には四季を感じられる植栽や多様なベンチが点在し、中心にはイベントステージも設置され、アートやスポーツなどを通じた交流を生み出していく。スケートボードなどのアクティビティが楽しめるアーバンスポーツパークには、渋谷や原宿の文化的DNAも色濃く反映されている。

施設には「Run Hub」をコンセプトにしたニューバランスの店舗をはじめ、開業を控えているラントリップが運営するランニングステーション、ダンサーやパフォーマーが集うスタジオ「Spot. Yoyogi Park」のほか、スポーツに特化した複合型教育施設など、スポーツやアクティブなライフスタイルとのつながりが色濃い場所が立ち並ぶ。
また屋上にはバーベキュースペースの設置も予定しており、1階にはレストランやテイクアウト可能な飲食店とライフスタイルショップがオープン。開放感のある空間で食事を楽しめば、一人でも誰かとでも、日常の中でちょっとした特別感を味わえるはずだ。
渋谷で本場ハワイを感じる「Tiki’s Tokyo」
2025年4月25日、BE STAGEの1階にハワイアンレストラン「Tiki’s Tokyo(ティキズ トウキョウ)※以下 Tiki's」がオープンした。ホノルル・ワイキキビーチで愛され続けている「Tiki’s Grill & Bar」の日本初出店となる同店。太平洋を望むロケーションやライブミュージックが演奏される本店のスタイルを受け継ぎつつ、Tiki’sが体現するハワイならではの多様な文化とコミュニティが、東京のパークフロントという立地で特別な進化を遂げている。


ウクレレの生演奏やフラダンスが披露されたオープン前日の内覧会。南国を感じるアートワークやサーフボードがディスプレイされ、大型スクリーンにはハワイの美しい映像も流れる。アロハシャツ姿のスタッフが迎えてくれる空間に、訪れる人もトロピカルな雰囲気を楽しめるだろう。


Tiki’s Tokyoの特徴はなんといっても、その開放感だ。代々木公園のパークフロントに面した約140席の広約々とした空間のうち、一部席(半個室、ソファ席)をのぞき犬の同伴が可能。犬用メニューやドッグサービスも用意され「ドッグフレンドリー」な設計になっているのは、BE STAGEというロケーションならではだろう。
ブース席やソファ席など選択肢も豊富で、家族連れやカジュアルな集まりにもぴったり。店舗を貸し切ったパーティやウェディングなど、さまざまなプランにも対応できるという。


料理は本場のハワイアンスタイルを軸に、日本の食材や味覚に合わせたアレンジも加えられている。ステーキは分厚くジューシーで、ガーリックシュリンプは豊かな香りとサクサクの食感で楽しませてくれる。ビールや白ワイン、ノンアルコールでも楽しめるハワイアンカクテルなどドリンクも充実し、昼でも夜でも心地よいひとときを過ごせるだろう。
また、併設された「NORTH SHORE CAFE(ノースショアカフェ)」では、マラサダやコナコーヒーに加え、ハワイの伝説的サーファー、デューク・カハナモクの名を冠したブランド「DUKE KAHANAMOKU」のアパレルや、ドリップパックコーヒー、パンケーキミックスなどのアイテムもテイクアウト可能。DUKEブランドのアイテムが常時店頭に並ぶのは今回が初となる。散歩の途中に立ち寄ったり、ピクニックのアクセントにしたりと、より気軽にハワイの味とスタイルを楽しめる。ハワイのホスピタリティと東京の都市性が重なり合う、新しい魅力に溢れたスポットだ。
Tiki’s Tokyo誕生の舞台裏——公園に”磁力”を宿らせる
Tiki’s Tokyoは、東急不動産・Zero-Ten・EDGEof Creativeの3社によって運営されている。開店に至るまでには、数年にわたる検討と交渉の積み重ねがあったという。BE STAGEの構想段階から関わり、都市公園と飲食、そしてカルチャーをどのように結びつけるかを模索してきた3人に話を聞いた。

「普通のフードホールよりも、もっと強い“磁力”が欲しかった。ただの飲食店をつくるというより、その場所に訪れる目的のデザインから始めました」と語るのは、東急不動産の伴将晃氏。東急プラザで開催してきたハワイフェスなどの成功から、非日常リゾートとしてのハワイに確かな集客力を感じていたという。
BE STAGEでは、その磁力の中心にTiki’s Tokyoを据え、アパレルや音楽、シネマ、アートなど、ハワイ文化との掛け合わせを広げる構想を描いている。渋谷とホノルルが姉妹都市であることにも触れ、「ハワイを楽しむ拠点」として国内外の人々に愛される場所としての成長に意気込んだ。

EDGEof Creativeは、海外ライセンスの取得とクリエイティブ全般を担当。音楽プロデューサーでもあるCEOのケンマスイ氏は、コンテンツとしての魅力にあふれたレストランを探すなかでTiki’sと出会い、その思いに共鳴した東急不動産とZero-Tenを引き合わせたという。「Tiki's Grill & Barはブルーノ・マーズもパフォーマンスを披露した、ミュージシャンにとって憧れのステージでもあります。店内と公園が一体化して音楽が鳴っているような、BE STAGEならではの非日常感を楽しんでほしい」と語ってくれた。
福岡を拠点に、映像制作や空間演出などクリエイティブ事業を展開するZero-Tenの黒松祐紀氏は「飲食とエンターテインメントを掛け合わせるにはうってつけの場所」とコメント。ハワイ好きはもちろん、偶然公園に訪れた人や犬好きのファミリーまで、多くの人に開かれた場としての可能性を強調し、今後のイベント展開への構想も伝えてくれた。
都市と自然の交差点から、次の“はじめる”へ

代々木公園の裏手にあたる場所に、新しい何かを引き寄せる磁力が生まれつつある。飲食、カルチャー、スポーツ、そして偶然の出会い。BE STAGEは、それぞれが自然に混ざり合い、都市の中で豊かな暮らしを送るための舞台として動き出している。
ハワイの風を運ぶTiki’s Tokyoをはじめ、思わず立ち寄りたくなるカフェや、身体を動かしたくなるアクティブな空間が整っていく。「BE STAGE」という名前の通り、何かを始める人のための舞台として、自分らしい一歩を踏み出す人たちに、きっと寄り添ってくれるはずだ。